「アニマルセラピー」という言葉が浸透してきたことは間違いないが、この数十年、あるラインから我々が前進していないと感じている。その原因のひとつが、「我々は全てを欧米目線で考えようとしていないか?」ということにあると思う。
確かに欧米は進んでいるところはたくさんあるが、あくまで「キリスト教圏」のフィルターがかかっている。動物福祉や動物介在教育においても。
逆に、それじゃあ「日本人とは何か?」と問われたとき、我々は分かりにくくなる。
我々は、自分自身を知らないのだ。
自分自身を知るためには、「他国」「他文化」と比較をせざるを得ない。そして我々はずっと、「キリスト教圏」との比較しかしてこなかった。欧米からしか学ぼうとして来なかった。 それゆえに、我々は足踏みをしている可能性がある。
今年は、我々が全く考えてこなかった「ユダヤ教圏」から、アニマルセラピーを考えてみようと考える。そのため、副会長二人は2012年7月に、まずイスラエルを訪れ、この「アニマルセラピー先進国」の積極的で衝撃的な取り組みを目の当たりにした。
今回の訪問で、この国のこと全てが分かったとはとても言えないが、「欧米」ではない先進国のフィルターを通して見ることで、より「日本」の特質が見えるようになったことは間違いない。
6月にはイスラエルから専門家に来ていただき、ご講演を願う計画も進んでいる。
その「前座」として、今回は、「イスラエルで我々が見てきたもの」を通して、今後我々がどういう方向に進むべきかを、ぜひ一緒に考えてみたい。